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相続でモメそうな予感がしたら・・・

 相続発生後、四十九日の法要も無事終わり、相続について兄弟と話し合いを開始。弟は遠くに住んでいるし、何も言わないだろうと思っていたら、法定相続分の主張をされた!こんな時どう対処すれば良いのでしょうか?
 このブログをお読みいただければ、弟さんのまさかの反応にも冷静に対応できるようになるでしょう。

1.遺産分割協議時のNGワード

 相続の申告の依頼をお受けしますと、当センターでは必要書類のご案内及び収集と現地調査などを経て、相続人様全員に財産の明細と概算相続税のご報告をいたします。この報告書をベースとして、遺産分割の話し合いをスタートしていただきます。この話し合いをスタートさせる時の、いわゆる跡継ぎにあたる相続人さんには、絶対に口にしてはいけないNGワードがあります。

「親の面倒を見たのは自分だ」

「跡継ぎが財産のほとんどをもらうのが普通だ」

「印鑑代として〇〇〇万円もらったらもう十分だろ」

「次男は気楽でいいな」

など、ご兄弟の権利を無視した発言は、必ず紛争の火種となります

 まずは、相続人全員の意見や言いたいことを、「怒らずに」聞くことです。何も言わず、聞くことに徹することが大事だと思います。ここで言い合いになったりするとこじれ始めますので、ここさえ乗り切ればかなりの確率で円満相続となります。
 全員の意見を聞いた後に、本家を維持していくための負担や、近所や寺社のお付き合い、故人が大事にしてきたこと、ご自身が故人の遺志を引き継いであげたいことなどを中心にお話されると良いでしょう。具体的な財産ではなく、少し抽象的なほうが良いかもしれません。相続人全員が納得できるようなお考えであれば、次回以降の具体的なお話合いでも協力いただける方が増えてくると思います。

2.相手の主張を検討する

 例えば次男さんから「子供は平等なのだから、法定相続分を欲しい」と言われている場合。これは実現可能なのかを検討します。
 確かに民法上は遺言がない場合、子供はみな同じだけの相続権を持っているので間違いではありません。しかし、遠方に住む次男さんが不動産の半分を相続して、農地や空き地の草刈等の維持管理をし、賃貸している不動産であれば賃料の未収督促管理や営繕管理ができるかということを考えれば、非現実的な主張であることは明らかです。不動産等も全部処分可能であれば良いでしょうが、処分困難な不動産は結構多いです。また、自宅や貸家の大規模修繕の時期が近い場合は、その分の金融資産も跡継ぎとしてこれらの財産を引き継がれた相続人には必要になってきます。この点をご理解いただけるように粘り強く話をすることが肝要です。
 さらに相続税の負担も考慮に入れて分割を決めなければなりません。相続税法には連帯納付義務といって、税務署は相続人のどの人にも全部の相続税を請求することができるという規定があります。従って、滞納した場合は相続人全員が迷惑を被るという仕組みを相続人全員が理解することが必要です

3.分割可能財産と分割困難財産に分ける

 後継者の方から、「故人の遺志を引き継ぎ、これからも〇〇家としての尊厳を守り、近所や寺社から敬意を払ってもらう存在を受け継ぎたい。」という趣旨のことを述べられた後に、「そのような存在であるためには、自宅、賃貸物件、修繕や突発的な危機対応ができる資金が必要であり、これらは分割困難財産だから、後継者が引き継ぎ、それ以外の財産を分割協議の対象としてはどうか?」と提案をしてみるのも良いでしょう。
 分割協議では、評価額が記載された財産リストを眺めながら単なる評価額だけで「一人〇千万円となるように分けよう」という短絡的な思考に陥りがちなのですが、それぞれの財産の形態も性質も違うものを、単純に評価額のみで分割しようと考えてしまうことが分割協議を難航させ、不調に終わる確率を高くしているように思います

4.誠意をもって協議

 法律上は対等な立場であることを認識して、相続人をそれぞれ尊重し、相手方の主張にも理解を示しながら、現実的な分割案を協議しましょう。冒頭にも触れましたが、相手の立場を軽視したようなNGワードの使用や態度、口調、所作の一つ一つに注意を払う必要があります。争族に発展するケースのうち、かなりの原因と思われるのが相手の立場を軽視した発言だと思います。他の相続人に「自分の主張をゴリ押ししてくる」「聞く耳を全く持たない」「そもそも信用できない」などと、不信感を持たれることが争族の引き金になってしまうということを念頭に、お互い誠意をもって協議し、ご霊前に無事分割協議成立の報告ができるようにしたいものです。

5.それでもだめなら・・・

 分割協議は相手のあることですから、いくらこちらが誠意をもって対応しても頑なに自身の権利を主張してくる場合もあります。また、相続人同士の過去の経緯から、仕返しを相続で成し遂げようとする相続人もいます。こうなると全く冷静な話し合いはできませんので、お互い感情を害するだけとなってしまいます。この場合は、それぞれ弁護士へ依頼したほうが良いでしょう。弁護士や調停人や裁判官が話し合いに入ることで、理性的に話し合いが進むことが期待できます。

 当センターは、ご依頼いただいた相続が円満相続で終了することが、最重要事項と考え、職務にあたっております。特に相続前のご相談が円満相続にはおすすめです。初回1時間の無料相談を活用されて、相続前から円満相続となる仕組みづくりを行いましょう。

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