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二次相続対策はいつから始める?

 相続対策は一次相続よりも二次相続対策が大事だとよく言われます。しかし、二次相続対策はいつから?なにから?どうやって?始めるのかを理解されている方は少ないように思います。今回のブログをご覧いただきますと、二次相続はどのように始めるのがベストなのかがわかるようになります。

1.二次相続対策はなぜ必要か?

 相続対策は二次相続対策が大事とよく言われます。一次相続では配偶者の税額軽減(配偶者の取得財産が1億6千万円又は法定相続分のいずれか多い金額まで、配偶者の相続税はゼロ)という規定があるため、税負担は少なく済む場合も多いのですが、二次相続はこの規定が使えないので、税負担が一次相続と同等かそれ以上になる場合があるためです。
 また一次相続では、お子さん同士が対立してもある程度配偶者が説得して、なんとか分割協議が成立するということも期待できるのですが、二次相続の場合は仲裁に入る人が不在のため、分割協議が難航することも予想されます。さらに、一次相続で相続税を金銭納付された場合は、二次相続では資金が不足してしまうケースも多く見受けられます。このように一次相続はなんとか乗り切っても、二次相続を無事乗り切るためには、一次相続対策以上に対策を講じておく必要があります。

2.対策はいつから始めるべき?

 二次相続対策を始めるタイミングでベストなのが、一次相続時だと思います。理由は一次相続で配偶者が取得する財産によって、二次相続対策のやり易さが決まってしまうからです。
 具体例で説明します。一次相続で借金付きのマンションの土地建物(土地建物評価額から借入金を差し引いて1億)と青空駐車場(評価額1億)が相続財産にあったとします。このうちのどちらを配偶者が相続するほうが二次相続対策となると思いますか?
 多くの場合、青空駐車場を配偶者が相続されたほうが二次相続はやり易いと思います。理由は二つです。
 一つ目の理由は、借金付きの物件は年々借金を返すので、毎年評価額が増えます。土地が値上がりしなくても、建物が3年に1回固定資産税評価の見直しで少しずつ下がったとしても、借入金の返済額は元利均等返済の場合毎年増加するので、毎年相続税がどんどん増加してしまいます。一方駐車場は土地が大きく値上がりしなければそれほど相続税も増加しません。
 二つ目の理由は、分割のし易さです。駐車場なら売却してお金で分けることも、分筆して取得することもできるのですが、一棟のマンションを2人で分ける場合は、一般的に共有状態となるため、常に共同で運用していくことになり、売却も両者の同意が必要となるなど、相続後の維持管理処分が困難となることが予想されます。

3.一次相続が終わった方は・・・

 ここまで読まれた方で、既に一次相続が終わってしまっている方もいらっしゃると思います。さらに、一次相続で借金付きのマンションを取得されたのが配偶者の方という方もおられるかもしれません。通常一次相続で精いっぱいで、二次相続のことまで考えて分割協議をされていない場合がほとんどですから、仕方ありません。でもたとえこのようなケースでも、まだまだ二次相続対策はできますのでご安心ください。以下にこのケースの二次相続対策の一例をご紹介いたします。

➀まず相続人の中で、今後マンション経営を引き継いで行かれる方(以下「賃貸事業後継者」とします。)を選定します。

②賃貸事業後継者が法人を設立し、金融機関から融資を受けてマンション建物を買い取ります。

③配偶者は法人からマンションの代金を受け取り、借入金を返済します。

④配偶者には借入返済後の資金と敷地が残ります。

⑤資金は遺留分相当を賃貸事業承継者以外の相続人へ、マンションの敷地やその他の財産は賃貸事業承継者が相続するように遺言を作成しておきます。

 上記は借入金とマンションの時価によりますので、いつも上手くいくとは限らないのですが、分割しやすい資産へ組み換える手法です。短期的に見ると、一定期間相続税は増加してしまいますが、毎年の所得税対策が見込めます。長期的には所得の源泉を法人へ移転するため、相続税対策にもなります。

4.争いが起きるも起きないも・・

 納税の問題も遺産分割の問題も、「おかね」があれば解決の幅が広がります。相続対策を考えるうえで❝「おかね」を増やす❞ということにフォーカスすると意外と解決策が見えてくる場合があるように思います。
 その中には上記のような資産の売却や所得税の節税で資金を増やす場合も考えられますし、「おかね」の増える源泉を後継者へ移転することや、生命保険金の非課税(500万円×法定相続人)や、法人から受ける死亡退職金の非課税(500万円×法定相続人)を利用して、❝相続税の課税を受けない「おかね」❞を作るなどの手法も含めて、できるだけ全体財産のうちの金融資産の割合を高めることがポイントです。

5.まとめ

 一次相続以上に、納税対策も分割対策も必要性が増すと思われるのが二次相続ですので、できるだけ早く二次相続対策に着手されることをおすすめいたします。相続対策は上記の例以外にも色々な手法が考えられますが、一番大事なことは、資金的にも精神的にも安心して生活でき、かつ長生きされればされるほど効果がある対策をすることです。

 当センターでは納税対策、分割対策、税務対策に加えて老後安心対策という4つの視点で相続対策を提案しております。先ずは1時間無料個別相談をご活用いただき、お気軽にご相談ください。

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